医療経済感覚を薬剤師も持つべき。
こんにちわ。
医療現場における厳しさをよく聞きます。学校の先生ですら、薬剤師国家試験に出題されたから授業します。という感じです。
そもそも、医療経営や医療経済学の考えをきちんと持たせることも含めて医療教育もしていくべきだったし、行政にこそ、そういう考え方を持った方の育成をするべきであったと感じます。
なぜ、医療経営学又は医療経済学がいるか。
それは、医療そのものが「お金による痛み分け」で成り立っているからです。
社会保険制度のそのものがどういう立ち位置の話なのか。そこを知る手がかりになる図を載せておきます。
出典:介護保険制度の背景|介護保険の基礎知識|介護たすけあいホームページ「あったかタウン」
この図を見てまず認識していただきたいのが、社会保険制度がどういう保険の元になっているかです。
介護保険も社会保険制度の枠組みに入れられていますが、正直、地域によって差が出やすいことを考えると、くくりの一つとして考えるのは難しいと感じます。
とはいえ、医療がこの痛み分けで成り立っている現状を把握しないわけにはいかないといえます。
ではここから、私が薬剤師に医療経済感覚を持つべきと考えていることについて話していきたいと思います。
まず、なぜ薬剤師に対して風当りがきついのか。
それは、「行動する力の低下」にあると思います。薬剤師の多くは、行動すると医師に何を言われるかわからない。そう思っている方が多数だと思います。
確かに医師に申し出や、提案果ては忠告をするぐらいしかできないです。治療における権限を持っているのは医師だけですから。
でも、行動せずに看過するだけでは、薬剤が処方されただけで無駄になるという可能性も存在するということ。
この点をどれだけの薬剤師が感じているのか…思わずにおれません。
次に、なぜ薬剤師の多くが転職するのか。
確かに人間関係を苦に自殺するなら、早く別の職場に行くのがいいと思いますし、私が実際にその立場なら、何も考えずにしていると思います。
でも、多くは、医療経済感覚を持ち合わせていないが故の転職を繰り返していると思います。
薬剤師が薬局に勤めるとなった場合、経営者はその分の人件費を割かないといけません。従業員の生活を保障することも求められています。
しかし、医療経済感覚を持っていれば、適切な医療費を抑制する方法を考え出すことができます。
例を出すと、門前薬局において総合病院が応需元であるとします。
多くの処方箋が出てきますが、その中に重複処方だけではなく、不要な処方も存在していることもあり得ますよね。
医療経済感覚を持っている薬剤師であれば、「○○と■■は、患者さんからの聞き取りで不要って聞いたから、医師に削減を言ったほうがいいな」とわかります。
逆に持たない薬剤師だと「○○と■■は、いるみたいだし、処方せんの通りで」と考えてしまいます。
なぜ「削減するのがいいのか否か」を考えるのは大変なことです。
ですが、患者さんが多くの薬を処方され、飲むことに苦痛を感じている可能性や、飲み忘れがたくさんあるということも考えないといけません。
医師にその件をいうことができないのが患者の弱いところですが、それをいうことで、服用にかかる時間が短縮できれば、より生活の質を向上させることができます。
この感覚を持っている方なら、患者さんの一緒に飲みやすい服用の仕方を考えることができ、自身のやりがいにつなぐことが可能になります。
だからこそ、転職しにくくなるし、店舗における存在意義をより強めることになると思います。
たったこれだけの話ですが、処方される薬がきちんと服用されなければ、その薬の薬価だけ無駄にすることになってしまうということです。
医療経済感覚を持って仕事に励むことで、やりがいを感じることになり、より良い治療法を提案する力になり、医師や他のスタッフの信頼をつなげることができると感じます。
かなり長くなりましたが、以上です。