薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

癌治療のシビアな現実

こんばんわ。

 

勉強の合間、ふと思うことがあったので、書き残そうと思います。

そもそもですが、抗がん剤を投与する意味、いろいろあります。

 

癌を摘出できる大きさに縮小させる。

癌との共生のため。

徹底的抗戦するため。

 

いろいろな考え方がありますが、抗がん剤を使うことで生体内ではある物

低下していることはご存じですか。

 

ある物…

それは、免疫系です。

 

この免疫系は本来なら癌になりそうな細胞を異物として認識して、

叩くことで、生体内の秩序を守っている、いわば警官みたいな組織です。

 

でも、抗がん剤を使うことで、癌を叩くこと以外の、正常な細胞まで叩くことになり

多くの場合、吐き気、下痢といった副作用を引き起こします。

 

高催吐性があると分類されるシスプラチンや、下痢ノテカンという異名を持つ

イリノテカンもこれらの副作用を起こすことで有名です。

 

では、今のご時世で考えてみて欲しいです。

癌治療のために抗がん剤を使用することで、実は免疫系が低下しています。

 

薬理や実務を繋げて考えると、

免疫系の低下が起こっているため、よく薬剤師の方が服薬指導では、

生ものは避けて食べてください」とか「うがい、手洗い、歯磨きの励行」を求めますが、理にかなっています。

 

では、そのうちの一つについて。

なぜ、免疫系が低下していると生ものを控えないとだめなのでしょうか。

それは、腸管のパイエル板抗がん剤など傷つくことで、通常のように

食材に付着した細菌を駆除した状態で腸管から吸収することが出来なくなるため

にそれらの細菌に感染する危険性があるからだと考えます。

 

腸管が傷つくことで、本来ある免疫系のレベルが低下した状態になります。

そのため、加熱調理したものを摂取することが求められてきます。

 

生物と薬理、実務と繋がります

生物では免疫系について、薬理では副作用について、実務では服薬指導について、

という風に考えることが、癌治療では大事になってきます。

 

コロナ禍においては、基礎疾患の重症化率が高いということがよく言われます

が、それは、基礎疾患という物が、症状を悪化させるファクターになりえるからです。

 

特に、抗がん剤を使用している癌治療患者さんの場合、何も基礎疾患を持たない方よりも重症化しやすくなるということは想像に難くないです。

 

生活習慣病の多く(糖尿病、脂質異常症)も基礎疾患に当てはまりますが、これらは

心疾患や脳疾患などを起こすリスクも高いことが認められています。

もちろん、これらに罹患されている方も気をつけないとダメだとよく言われています。

 

…と考えると、如何に基礎疾患のコントロールが上手くいっているかが、命運を分けると言っても過言ではないです。

 

癌化学療法の多くは、骨髄抑制という副作用を持っています。

これは用量規制因子として分類されています。

 

用量規制因子とは、その副作用が出た時点で、中止して、顆粒球を増やすなど、適切な

処置を行わないといけないとされている結構きつい因子です。

 

そのため、抗がん剤を使用していると言っても、出来る限り免疫を落とさないように

できる限りの努力(睡眠や適切な食事の摂取)がいると言えます。

 

長くなりましたが、抗がん剤だけでの治療ではなく、免疫系を再賦活化させるために

できる限りの努力はもちろんですが、感染症にならない工夫を自ら行っていくことが

大事だと思います。

 

以上が私がふと思った事です。