薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

医薬品の安全性を考える。

こんばんわ。

前から気になっていた事件があったので、書き残そうと思います。

mainichi.jp

今回の事件で重要なのは、『医薬品の製造工程』に問題があったということです。

薬剤師国家試験の受験をする皆さんなら、今回の事件、何法の違反かわかると

思います。答えは『医薬品医療機器等法』です。

(他の医療関係者もご存じの方はすぐわかると思います。)

 

では『医薬品医療機器等法』のどこを違反しているのかですが、『製造工程』

において違反があったということです。これは、『製造業』の部分ですよね。

では、今回の製造工程に問題があったということですが、そもそもですが、

医薬品製造業者なら、誰でも知らないといけない部分があります。

聞きなじみのない言葉ですが、『バリデーション』というものがあります。

これは、製造業も人が担当している部分が多いので、もし、同じ人でなくても、

医薬品を製造した時に一定レベルの水準を担保できること前提にした工程を詳細に

記した文書のことです。この文書の作成が義務づけられています。

 

今回問題になっていることとして、考えないといけないのは、『製造工程』を

担当する部署(製造部門)と『出荷判定』を担当する部署(品質部門)において

完全な切り離しと独立性が担保されていたのかということです。

 

なぜ、このように感じるのかということですが、

そもそも、睡眠導入剤の成分が紛れ込むというのは、正直考えられない

からです。それに、『製造業』の規定には、『製品の製造に関する記録を

残さないといけない』とされています。その規定を果たして守れていたのか

どうかも疑問が残るというものです。

※先ほど、新たな記事がだされているのを見たところ、製造記録として、

実際に、睡眠導入剤の原料を投入したと残されていたそうです。

(2019年12月29日付)

 

今後現場に出て行くにあたって考えないといけないのは、患者さんに対して、

薬を通して安心感を与えないといけないということ。今回の事件以外にも、

皆さんの記憶に新しい『ハーボニー配合錠の偽装事件』でも薬の安全性に

不安を落としたのは言うまでもないことです。

 

医師や歯科医師の方は、薬を処方するという行為で、医行為は終了しますが、

薬剤師に課せられているのは、薬を安全に安定に供給することです。

 

もちろん、製造販売業や製造業にも、薬剤師が原則なることが求められる肩書が

あります。(なぜ原則かというと、薬剤師でなくてもよい例外規定があるので)

 

今回の事件では、本来管理しないといけない立場の薬剤師が、きちんとした管理

をしていなかったということも実際に考えられます。悲しいですが、こういった

危機意識のない人たちにより、かけがえのない命が壊れてしまうことがあります。

 

そう言ったことを無くすために、現場における薬剤師が安全と安定を担保した

供給体制を確立していくことが大事だと思います。

 

受験を控えているみなさん、特に同じように薬剤師国家試験を考えている

みなさんへ。何気ない報道に目を向けると自分たちがしていることと繋がりを

意識することができます。ぜひ、そういう目を向けてみてください。

 

現場に出た時に、危機意識を持った薬剤師が重宝されることは間違いないと

思いますよ。

 

では。