薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

PCR検査の意味を考える。

こんにちは。

衛生の勉強をしていて生物との繋がりを意識した考え方ができると思い、

みなさんが知っているPCR検査の意味を考えてみたいと思います。

  1. 生物からみるPCR検査について
  2. 衛生からみるPCR検査について 

 

1.生物からみるPCR検査について。

よく、都会の街角で、多くの方が、民間のPCR検査を受けておられます。

そもそもですが、このPCR検査の原理とかご存じでしょうか。

 

基礎科目の生物では、分子生物学の項で、知られていますが、

PCR検査は、PCR法を使っています。

 

原理としては、三つあります。(青本の生物から引用しました。)

  1. 熱変性により、二本鎖のDNAを一本鎖にする。
  2. アニーリングにより、鋳型となる2つのDNAの3'末端側にそれぞれプライマーに結合させる。
  3. 基質のdNTPを使い、耐熱性DNAポリメラーゼによりDNAを複製します。 

これら三つの事を何回も繰り返して、行っています。

※アニーリング:熱を加えて、一旦、一本鎖にしてから、プライマーを合わせて

        から温度を低下させることで、相補鎖同士で水素結合を形成して

        二本鎖になることを言う。

 そもそもですが、今問題になっている新型コロナウイルスは、RNAウイルスです。

今回の検査手法は、一旦DNAにもっていかないといけないので、逆転写を行います。

このため、RT-PCR法が使われています。

この時、気を付けないとだめなのは、生体ではないということ。

生体内でのDNAでは、複製に必要な基質として、RNAが利用されます。

これは、間違っていてもすぐに修正ができるため。

しかし、試験管内で行うPCR法の場合、そもそも間違いが起こることはないです。

よって、基質にデオキシリボヌクレオチド三リン酸が使われています。

(これは生体内での話ではないので、dNTPが使われています。

 よく過去問でひっかけで、NTPを使うとだされています。注意してください。)

 

2.衛生からみるPCR検査

 

多くの方が、民間のPCR検査を受けられていますが、実は使い方としてはちょっと

違うんですよね。安心のために、行うためのものではないというのが、この検査の

本質だと思います。

 

皆さんにお聞きしたい。医療関係者の方はご存じの方が多いと思いますが、

疾病の予防には三つあります。一次予防、二次予防、三次予防の三つ。

一次予防は、未病のうちから予防。

二次予防は、発症していないうちに早期発見、治療のための予防。

三次予防は、発症した疾患を悪化させない、社会復帰のための予防。 

 

PCR検査はこの三つの中において、どれに当てはまるでしょうか。

正解は『三次予防又は二次予防』です。

 

この三次予防は、発症した疾患を悪化させない、社会復帰のための予防です。

しかし、使い方として適切だと思うのは、軽症から重症化しないうちに、

見つけ出すための手法としても使われていると考えるため二次予防とも

取れると思っています。

 

三次予防について、例をあげるなら、うつ病の方の社会復帰のためのプログラムなどを思い浮かべてみてもらえるとわかり易いと思います。

そのうえで、今のコロナ禍においては、重症化しないために軽症者でも危険性がある方をあぶりだす意味で使うという使い方が適切であるという観点からみると、二次予防ともとれると思います。

国家試験を受けた方なら誰でもがわかる話しではないでしょうか。

 

今のコロナは軽症でも重症になるリスクを秘めているため、軽症の方でも、

重症化しそうな人を見つけ出すために、この検査が使われているはずです。

しかしながら、今の多くの方たちの使い方は、誤解を恐れずにいえば、

『陰性という名の安心のため』に使われていると思います。

 

三次予防という観点から見れば、確かにこういう使い方もありだと思うのですが、

本来の意味あいとは外れた使われ方をされてしまっているのかも…と違和感を

感じています。

 

コロナウイルスが日本に入ってきてから、よく言われていたことですが、

日本で、PCR検査の数が少ないとよく言われていましたが、それは軽症の時点で

重症化する人をあぶりだすためにしか使われていなかったからだと思っています。

 

もちろん今後もそういう使い方もされるでしょうが、今の様子を見て、どうもそういう使われ方がされていない気がしています。

 

二木先生の言葉を借りれば、『検査の結果が必ずしも正しいとは限らない』ということの認識が必要ではないかと思っています。

 

自分たちにできる事としての予防はもとより、ご自分の健康は自分で守れるように

していって頂けるといいなと思います。

 

一旦今年はこれで最後です。

来年もよろしくお願いします。