現場意識を持たない医療関係者にはなりたくない。
今回の記事を見て、とんでもない人が現実にいるんだなということに納得しました。
そもそもですが、大学病院の院長先生が学長に求めるのは普通の話ですし、
院長先生以下、職員の方も、使命感を持って、患者受け入れに向けた準備を
していたはずです。
ただ、その受け入れに対して、学長がなぜ今回のような発言をされるのか
本当に理解に苦しむ話です。
特に大学病院は、大半が特定機能病院としての承認を厚生労働省大臣より
与えられています。これは、高度な医療の提供ができるというお墨付きを
頂いていることになります。
今回のようなコロナ禍の最終手段としてのエクモなどの高度医療機器といった
本当の意味で『高度な医療』を提供することが国民に求められているはず
なんですが…。
今回のような記事を読んで、少し違和感を感じた方も
居られると思いますが、大学の医学部や薬学部といった学部における設置基準を設けて
それにあうかどうかを見るのが、文部科学省の役割なんです。
医療系国家資格などの製作や現場で働く関係者に対する指導などを行うのが
厚生労働省(地方厚生局長に権限は委任されている)なんです。
そのため、今回の問題発言に対する事実関係をみるための調査で、文部科学省が
大学に入っているんです。
正直な話、今回のような事項を見ると医療系学部の設置基準だけでも、厚生労働省が権限を持ち、行使してもよいのではないか…と感じてしまいました。
話は逸れましたが、実は今回違反にこそなっていませんが、『医療法』に
対して抵触すると私は考えています。
本来、医療法は『医療を受ける者の利益の保護、良質かつ適切な医療を効率的に
提供する体制の確保』が現場の医療関係者に求められていることです。
この上記を鑑みれば、今回の記事での学長の発言が問題であるということが
すぐにわかると思います。
そもそも、このコロナ禍、重症患者が多くなっている、クラスターが発生している
といったいろんな事件が現場で起こっているんですよね。
病床に少しでも余裕がある医療機関があるなら、そこで、融通を効かせることは
良心のある医療機関なら普通にやっています。
藤田医科大学の付属の病院では、大型客船内でクラスターが発生した時、快く、
患者さんの受け入れをしました。その当時の記事がこちらです。
確かに、開院前であったことが大きいかもしれませんが、一刻の猶予がないという
院長の判断と職員の使命感、そして、快く受け入れ要請に応じた藤田医科大学学長
の人間性がここにでているとも言えます。
一方の、学長の吉田氏はどうでしょうか。旭川医科大学卒業の医師です。
そのような方が、患者の受け入れを求めた大学病院の院長先生に対して、
そのような発言をしたということ。
本当にあり得ません。医師法にも抵触しても可笑しくないと思います。
ここから、同じ学長という立場の先生方であるのに、これほどの認識のずれ、
現場意識の強さがこれほど違うものかとかなり、衝撃を受けました。
このように考えると私は当事者意識を持たないと言いますか、現場意識の薄い
医療関係者が実際の現場に未だにいるということに強い憤りを感じています。
今後、医療系学部に進学するかた、現場に出て行こうとしている方には、
このような考え方を絶対にしないということを認識として持って欲しいです。
以上です。
追記
今の段階で、大学病院の中で、一度もコロナ関係の話で出てきていない病院
はただ一つです。東京大学病院。
正直、公立や民間の病院がどれだけ頑張っても、今に至ってしまったというのは、
紛れもない事実です。
そのような中、この現状を東京大学病院はどう見ているのでしょうか。
それこそ、大学病院の模範となるべき行動を起こすことが今、まさに求められている
のではないでしょうか。
我関せず…、そういう態度を取る大学病院の態度に、私はかなり違和感を持って
います。現場意識がない…と言われても反論はできないと思います。