薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

大麻が日本で禁止されている根本を考察する。

こんばんわ。

ずっと気になっていたことがあったので、書き残そうと思います。

そもそもですが、大麻取締法が悪法だという方や医療大麻の使用を

認めてもいいのにとを言われている弁護士さんも居られたり、医学生でもそのことを

言われている方が居られたりといろんな人がいろんなことを考えているな

と感じていました。

 

ただ、なぜ、日本での大麻使用が禁止されているのか、そして、なぜ、大麻

使用することが種と茎以外認められていないのかを含めて考えてみようと

思います。

日本での大麻における検挙率と覚せい剤の検挙率の比較。

そもそもですが、覚せい剤と並び大麻の検挙数が上がっていることを認識されている

方がどれくらい居られるでしょうか。

覚せい剤再犯率が高いため、一度味を染めると、

断薬した後も精神依存があるため、また手を伸ばしてしまうという負のループが

あるということが知られています。

それに、覚せい剤は回数を重ねることで、買う値段も高くなり、お金が続かない

可能性も出てきます。そのため、再犯を繰り返す方の大半は40代~50代前半の方が

多い印象です。

一方、大麻は地球上どこでも自生していることや、栽培することが出来るため、

覚せい剤よりは安価に手に入ることも関連して、手を伸ばしてしまう方もいます。

覚せい剤再犯率が高いことに対して、大麻では若い年代の方の初犯率が高い

ということがあります。

 

日本における大麻の製造や栽培、所持が禁止されているのは?

そもそもですが、医療用大麻が世界でも利用が認められている事や、いろんな

疾患の疼痛治療に適応があるなど、海外の例をみれば、羨ましいという気持ち

や、ビジネスチャンスではないかと捉える方が居られるのも理解できます。

ただ、なぜ、日本における医療用麻薬があって、医療用大麻がないかをみなさん

考えられたことありますか?

医療用麻薬の製造工程や、その後の輸送経路、そして、医療機関における厳密な

管理。あくまで、卸は、県外の医療機関に対しておろすことすらも許さない

厳格な管理体制が出来上がっているわけです。

同じように大麻を現場で使ってもいいでないか?と考えられる方もいそうですが、

実際に管理するのも麻薬並みでやらないといけないレベルです。

麻薬に限りません。アザラシ肢症で問題になったサリドマイドも、多発性骨髄腫の

適応で使われていますが、それについても、物凄く複雑な管理体制を持って

使用しているんです。これ以上の人手を不足させることになれば、必要な注意も

向けれなくなってしまいます。

簡単に、大麻で逮捕されるのは、人権侵害だということに対して記事が載って

いたのを読んでいませんが、こういう管理体制を構築することの大変さを

分かっておられないのかなとも感じました。

所持・栽培・製造が認められていないことが悪法と言われる理由みたいですが、

栽培にあたっては、茎や種子を利用して仕事をされている方が居られるため、

例外が認められています。ただ、その利用もちゃんとした管理がなされている

ことが前提になっていると考えます。

製造に対しても、もし、医療大麻を製造するとすれば、原料の管理体制はもちろん、

それ以外にも、いろんな意味で考えないといけないことが多いです。

それだけではなく、悪用されないように、一般の人の使用を制限する、

医薬品としての流通体制の厳格化なども必要になりうると思います。

 

悪用する人の存在も規制の対象になっている理由。

指定薬物ということを知っていますか。

指定薬物とは、『人に対する依存性、生命における危険性、などを全体的に考え

た上で、大臣が決定する薬物のことです』

これは、覚せい剤においては包括指定がなされているものとは、少し異なるものです。

でも、そういう薬物にも例外があることを知っていますか。

例外として、医療等の使途に限るというものがあります。

これは、医療や鑑識などの科学捜査などで使う場合は使ってもいいという

ことです。指定薬物にも医療で使われている物も多いです。

笑気ガス(酸化二窒素)なんかもパーティードラッグとして使われた過去から

厚生労働省から指定薬物として認定を食らっているわけです。

笑気ガスは全身麻酔薬として使われているので、医療の現場で使われている

ため、例外規定があるということです。

ただ、大麻においては、栽培において例外がありますがそれ以外は

例外がないのです。

指定薬物でもそうですが、悪い方向で使用されてしまうリスクを

考えれば、なおの事、規制する方向性が正しいのではないかと思います。

 

このように考えても、大麻の危険性も含めてきちんと考えるべきですし、

安易に大麻を使用する方向で考えるのは、薬剤師になろうとしているものとしては

看過できない事態だと感じました。

そういう意味で、このように記事を書いてみました。

 

リスクマネジメントやベネフィットの両方に目を向ける機会の場に、

この記事がなれればいいなと思います。