薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

カネミ油症事件と化審法

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こんばんわ。今日、見た中で『被害を受けた人だけではなく、次世代にも

その痕は残る可能性を秘めている』と痛感した記事です。

 

どうして私がそう思うようになったのか、科目の繋がりを意識して考えたい

と思います。

カネミ油症事件の実情

そもそもですが、このカネミ油症事件、なぜ起きたかをご存知でしょうか。

昔はお米から油を取ることが盛んにおこなわれていた経緯があります。

しかし、取った直ぐの油は大変匂いがきつくそのままではとても使えない

レベルの代物であったみたいです。

そこで、この油の匂いを取って使い勝手を良くしたいという思いから、

加熱を考えたようです。

ただ、この加熱のし過ぎが問題になることがあったため、仕方なく

断熱性といいますか、絶縁体になるものとして、CPCBやPCBが盛んに使われて

いました。

しかし、ある時、熱を通すパイプに傷がついていた事に気づかずそのまま

使ったことで、絶縁体として使われていたPCBやCPCBが米油に溶けだした

ようです。

が、それに気づかないまま、米油が市販され、その米油を使った方の多くが

とんでもない症状に悩まされることになったのです。

多くの方に見られた症状は、皮膚障害です。その他に肝障害も挙げられる

ようです。

事件が契機となり、作られたのが『化審法』

いつも思うのですが、こういう事件がおおぴらにならないとなかなか行政は

動かないんだなということを強く思いました。

当時はこういう症状が出るとは知らなかった方が多く、多くの方が苦しまれた

ことは想像に難くないです。

医療関係者でも化審法はご存知でしょうか。公衆衛生を勉強されている

医師の方や薬剤師、歯科医師の方ならご存知だと思いますが、

『化審法』は使用する化学合成品に対して、製造、輸入などの前に、事前の

審査をしたうえで、製造・輸入・使用について必要な規制を行うために

1973年にできました。

今回問題になっているPCBやCPCBは、第一種特定化学物質として規制の対象に

なっています。

なぜ、今このような世代を超えた調査手法が必要なのか。

皆さんの中で今回の記事を読まれたことがある方なら、疑問を呈する部分だと

思います。

皆さんが知っている疾患で、薬害になった血友病患者のエイズ感染があると

思います。

実は、血友病にも言えることなんですが、この疾患の遺伝の仕方にヒントが

あります。家族歴がなくても、子の時、果ては孫の時に発症の可能性があります。

世界史を高校時代に選択していた人なら、直ぐにピンとくると思いますが、

ヴィクトリア女王の子孫に、血友病患者が多いということがあげられます。

女性の場合は、片方の遺伝子が正常であれば、もう片方がだめでも、血友病

を発症することはないです。女王は片方だけが、異常であったが、もう片方が

正常であったため、特に問題なく生活できていたと推測することが出来ます。

少し話が、逸れましたが、今回の場合も同じです。

実際に、被害を受けたのは、親世代かもしれません。もしかすると、子の世代

に行ったとしても、特に問題なく過ごせるかもしれません。

しかし、孫の世代で変異が起こる可能性がないとも言えないと思うんですね。

今回は遺伝的な要素は低いと思います。しかし、細部にまで目を向けずにいること

はかなり危険だとも思います。

被害者側は、親、子世代だけではなく、孫世代に対しても、包括的な調査の

必要性を訴えているということだと思います。

(記事では、ダイオキシン類の話が出ていますが、化審法では対象外という

 話です。)

まとめ

以上の話から、私は今回の記事を見て、『被害を受けた人だけではなく、

その子、孫の世代といった次世代にも痕が残る可能性がある』と感じました。

とは言え、この記事を見るまでは、実際にそういう調査が行われていることなんかも

一切知りませんでした。

そのため、知識として暗記をしていたとしても、実社会に落とし込めていなければ

なんのためにもならないのではないかとも感じました。

いろんな意味で、大切な記憶に残る記事の一つになったのではないかと思います。