薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

漢方処方について~甘草含有の物に注意を向けてください。~

こんにちわ。今日は少し気になった部分があるので書き残そうと思います。

hanamaru-life.hatenablog.com

皆さんの中でも、漢方にお世話になった方居られると思います。

『漢方は副作用が出にくい』『安全』ということがよく言われているんですが、

実際には違うんですということを記事に書いていこうと思います。

漢方で婦人薬で使われるもの、三つ。

当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸。この三つは、漢方の中でも婦人薬として

使われているものです。私の周りにも、加味逍遙散を処方された方が居られます。

これらの中で、中心的に考えられるのは、『補血作用』ということ。

漢方の考え方として、大きいのは、血が足らないことを、『血虚』と言います。

上記の三つの内、桂枝茯苓丸を除いて、当帰と芍薬補血作用を期待して

使われています。

漢方で注意すべき副作用とは

薬剤師国家試験で実際に出された問題に、『偽アルドステロン症』というもの

があります。これは漢方のほとんどに矯味作用を期待して配合されている

甘草によって引き起こされるものです。

甘草の配合割合が大きい漢方の処方であれば、副作用として出る可能性は上がります。

プラスで、二剤以上を併用すれば、さらにその可能性があがることがあります。

偽アルドステロン症って何ぞや

そもそもですが、偽アルドステロン症って何?ってなっている方が多いでしょう。

これは、甘草に含まれるグリチルリチン酸が代謝を受けて、グリチルレチン酸に

なることで、コルチゾールをコルチゾンに代謝する酵素を阻害することで、

相対的に、副腎皮質球状層で、アルドステロンの生成が上昇することで、

アルドステロンの作用がより強くなってしまうことがあります。

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特に、問題になるのは、Naイオンの貯留亢進、Kイオンの排泄亢進に伴う

高血圧、低カリウム血症、浮腫(細胞が潰れてしまう危険性があります)

があると思います。

本来なら、抗炎症作用があることから、いい生薬だと思うんですが、

こういう危険性を持っているということを知って頂きたいですね。

まとめ

漢方処方では、至るところに、甘草が含まれています。

沢山処方がされている中での甘草の含有割合が少ないなら、リスクは低いと

はいえ、そういう副作用が起こらないということにはならないので、気になることが

あれば、身近の薬剤師、または医師に相談するようにしてください。

偽アルドステロン症に限って言えば、低カリウム血症に伴う、筋肉の痛み、

筋力の低下などがあげられます。

こういう事があるということを、分かって頂けると幸いです。

漢方とはいえ、薬です。副作用が出る可能性もあります。

適切な服薬をお願い致します。よろしくお願いいたします。

できれば、漢方処方を専門でされている先生に受診されることをお勧めします。

では。