薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

自分の卒論研究が国試の勉強に繋がると意識した話。

おはようございます!

私は、岡山にある大学薬学部を卒業し、今年の九月に卒業して三年目になります。

私は、薬学部の4年生から六年生になるまで、『薬理学研究室』に配属されました。

そこでは、勉強と卒業研究のバランスを考えてくれる研究室のトップの教授の先生

がおられ、いろんな意味で幅広い視野を持つことができたと思っています。

 

その上で、私は自分がやっていた調査研究が自分の勉強の助けになっているという

ことに気が付くことができました。

 

今日はそんな思い出も交えて、書いていきたいと思います。

調査研究で知った『審査報告書』の存在。

皆さんの中で、この文書の存在を知っている方は居られるでしょうか。

薬剤師の先生で卒業研究で調査したことがある方ならすんなり、頷けるかもしれません

が、医師を含め、他の方では知らない方もいるかもしれません。

簡単に説明をします。

そもそも、申請を受けた新医薬品や新再生医療等製品に対して、PMDAが様々な

審査をして、それを大臣に対してわかるように、まとめたものが、『審査報告書』

といいます。

私は最初、この存在を知りませんでした。五年生と六年生であった科目でも、

この報告書の話は出ていなかったため、最初言われた時は、どんなもの?

という怖さを感じました。

しかし、実際に見てみると、わかり易い文体で、相当徹底的に調べ上げたの

だろうとも取れる書き口調に、多少圧倒されたものです。

調査報告書の存在意義を感じ取った瞬間

私は、抗体医薬品の生殖発生毒性試験、一般毒性試験などの項から、必要な事項を

引っ張り出すことを教授から指示を受け、多くの抗体医薬品の審査報告書の内容の

精査を行っていました。

一つ一つ内容を見ていく時間はなかったものの、自分の中では、とても楽しい

作業でした。何といっても、PMDAが調査した後に書いたであろう部分を見ている

とわかるのですが、製薬企業は本当にきちんと医薬品について考えている?と

少し怒り口調で書かれていたりするんですね。

『そこまで怒らなくてもいいのではないか…』と感じてしまうほど、熱く書かれて

いることもありました。

ただ、この報告書があるからこそ、どういう危険性やどういう安全性が担保されている

のかを知るきっかけになるのではないかと強く感じたものです。

審査報告書の中身は、科目の横断が激しいということ

繋げて考える大切さを知った

審査報告書を調査研究のために精査していて思ったのは、中身に書かれている

ことは、ほとんどが自分が今まで習ってきたことばかりの事を、より深いところ

でつながっているんだということを気づかせてくれたと思っています。

国試浪人をするようになっても、自分の調査研究の趣旨であった『抗体医薬品』

つながりで、衛生では『毒性』の分野で、薬剤では『製剤』の分野でつながっている

こと、法規では、『PMDA法』に繋がったりと、いろんな所に繋がっているんだと

いう事を気づかせてくれたと思っています。

狭い意識、視野ではなく、広い意識、視野を持つことの大切さ

薬剤師国家試験を受けて思ったんですが、狭い視野、意識だけでは、点を上げ

るのは難しいということ。それだけではなく、周りが見えないことにより、より

不安を感じるようになってしまう危険性があります。

当時はこの意識、視野を持つことができませんでしたし、まさかこれほどの

繋がりを意識させるような内容であると思っていませんでした。

自分の不勉強によるものと反省しています。

まとめ

薬剤師国家試験を受かるだけであれば、知識があり、それなりの努力を

すれば受かることはできると思います。

しかし、本当の意味で内容の濃い、内容が深い勉強をするうえでは、

科目ごとの繋がりを意識することも大変大事であると感じています。

今後、薬剤師国家試験を受ける方には、そういう意識の醸成を行って頂きたいです。

『受かるための勉強ではなく、その後に繋がる勉強を行う』

これが、今後、国家試験を受ける人たちには必要になる考え方だと思います。