薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

製剤で大事なこと…こんなところに、プロドラッグ

おはようございます!昨日は耳鼻科に行ってきて、薬を処方されました。

何分、耳の痒さに耐えれず、もうだめ、発狂すると親に頼み込み、連れ出して

貰いました。そのうえで、処方して頂きました。

 

で、私はすぐにある科目を思い出してしまいました…。嫌いな『薬剤』です。

なんで?と思う方もいると、察しますが…。最後まで読んでいただければ

理解できます。それでは、どうぞ。 

処方された点耳薬『リノロサール』や他のステロイド剤の特徴

この薬は、『水溶性合成副腎皮質ホルモン剤』ということで、要は、

炎症止めの薬です。

大体のステロイド剤で私が試したことがあるのは、経口剤、点鼻剤などが

あります。これらは、免疫機能を抑制する作用があるため、よく私たちが

耳にする『ステロイドパルス療法』は大量のステロイド剤を体に入れることが

あります。それが治療の一つで選択されていることがあります。

ノロサールは水溶性…?なぜ、それが可能なのか?

薬剤師の方なら、学生の時に徹底的に教えられた部分があると思います。

特に製剤学で覚えさせられたものがあると思います。 

私が、『合成』の部分を赤くしていることに気が付けた方、鋭いですね。

そう、水溶性になるように合成しているからなんです。

加えて、一般名を見てみると…

『ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム』とあります。

D00972KEGGさんから拝借しました。

このリン酸エステルナトリウムを見てみてわかることは、水溶性を高める

官能基として、リン酸が使われているのと、ナトリウム塩になっていることで

更に水溶性があがってくるんです。

水溶性にする必要があるのはなぜか?

ここまでを見てなるほどと思ったかたは多いかもしれませんが、なぜ、水溶性

にする必要があるかまで、感じることが出来た方、かなり鋭いと思います。

では、身近なものであれば『ステロイドパルス療法』を例に考えてみてください。

そもそも、ステロイド骨格は、炭素だけの塊で脂溶性が高い。そんなものを

そのまま、体に入れたら血管を詰まらせることになってしまいます。

大量のステロイドが生体に入っても、詰まらずに、薬効を発揮できるのは、

生体に入るまでは不活化の状態であり、体内に入って活性化する状態になるよう

に設計されているからなんです。血管にいる間は、大人しくしているということ

になります。

プロドラッグの一つとして、知っていて欲しいです

今回、処方された点耳薬も、眼科でも使えるため、点眼薬としての利用が

見込まれるということです。そのため、水に溶けやすい状態にして、点眼

や点耳に使うことが出来るようにしているということも考えることが出来ます。

これらは、生体内に入ってから効果を発揮するため、不要な作用を起こさない

という安心感があると私は思います。

アンテドラッグというものも、類似していますが、こちらは、生体ではすぐに

分解されるので、不要な作用そのものを起こさせないことに力が入っています。

 まとめ

今、このブログには、医療関係者や他の方、学生さんも見ていると思いますが

皆さんが教えられたことがこういう意味で使われているんだということを知る

ことが出来ると思います。

私は、点鼻も点耳も苦手ですが、一刻でも早く、耳の痒さを無くすため、

しっかり点耳して行こうと思います。