薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

災害医療とおくすり手帳

こんにちわ。

いろんな意味で、もし受かった場合に備えていろんなことを考えなければと、

気持ちを向けるのが大変ですが、頑張っていこうと思います。

特に医療関係者に関わらず、薬局や病院に通院している方でも、耳にしたことが

ある『おくすり手帳』。これを持っていくと、薬局で、少し会計時に安くなると

いう事があり、良く、次回からご持参くださいと言われることがあり、少し、鬱陶しい

と思われる方もいるかもしれないと思います。しかし、この『おくすり手帳』が

もしかしたら、自分の命を救う助けになるとしたら…今日はそんな話をしたいと思い

ます。

東日本大震災の時、『おくすり手帳』の偉大さを思い知らされた

上記は、私の母校である大学の元教員の方が、自らの経験を回顧していた時の

一言です。

この教員は、JAICAの関係で、国際緊急援助隊の一員として、東日本大震災の時、

自ら被災地に入り、薬剤師として医薬品管理や、調剤業務を任されたそうです。

その時に多くの患者さんが、避難場所にある仮設薬局に来られるのですが、

薬の名前をきちんと憶えていないんですね。『白い薬、粉薬…』といった、

薬の色調、形状でしか分かっておられないんですね。

もちろん、患者さんの既往歴から推定して、この薬かなっていう感じで、医師も

処方するし、その教員の方も、調剤するしということで、なかなか難しいものが

あったそうです。その時に、もし『おくすり手帳』があれば、薬をすぐに確認し、

正確な名前が分かれば、もしそのものがなくても、代替薬を医師に提案することも

できます。そういう正確性の担保が出来る点で、『おくすり手帳』の偉大さを

実感されたとのことでした。

おくすり手帳の意味

皆さんがよく、持っていかれているおくすり手帳ですが、何のために持参されて

いますか。自分の薬の覚書として?とか、医療関係者に今までに使ったものを

聞かれることがあるから?とか、いろんな事情で使われていますよね。

でも、そもそも、おくすり手帳が何のために必要なのかって分かりますか。

『今までどういう薬が使われているのか、薬が多すぎないか、重複して処方

 されていないか…』などを医療関係者が確認するためのものなんです。

もちろん患者さんの覚書としても使われるのは、大切なことですが、それ以上に

そのものを持っていることで、緊急の時に、どういう薬を使っているのかを

見た上で、どの薬を使って救命するかを考える、ある意味、最悪な状況下でも、

自分の命を救うためにも必要なものとしても考えられると思います。

お薬手帳を持っていて安くなるってどういう事?

調剤報酬というものを簡単に説明します。

そもそも、『調剤基本料+調剤料+薬学管理料+薬剤料+特定保険医療材料料』

というもので成り立っています。

その中で特に、『おくすり手帳』を特にうるさくいうのが、『薬学管理料』の

所なんですね。その中で、『薬剤服用歴管理指導料』※で、手帳を持参すれば

41点でそれ以外は、53点が取られるんです。(特養入所者の場合も、41点です。)

確かに、12点の差は大きいと思います。そのため、出来るなら、持参した方が

毎月来られる方であれば、財布にも優しいということになると言えます。

保険を使っているし、自己負担額が3割とは言え、毎月となれば、それなりの額に

なります。後発医薬品にして安くする方法もありますが、適応症が先発品と異なる

場合もあるので、難しいところもあると言えます。

後発医薬品に変えてもいいという医師の同意がないと、変更することが難しい

ということもありますので、なかなか難しい所ではあります。

※調剤済みになった薬を薬袋に入れた後に、患者さん一人一人に対して、

服薬指導をする事、服用歴なども管理する事に対しての点数です。

まとめ

おくすり手帳をもっと広くしって欲しいと思っています。

東日本大震災の時も、おくすり手帳を持っていて、助かった方も実は居られます。

自分の命を守るために、万が一の場合でも、おくすり手帳を身に着けていれば、

自分が助かる可能性がかなり大きくなります。だからこそ、もっと多くの方が、

薬剤師を含む医療職に対して、話をする時の橋渡しとして、使って欲しいと

思いました。より多くの方が、おくすり手帳の重要性を認識できることは今後

強く求められてくるのではないかと思います。