薬剤師になって見せる~医療職としての吟持を持って~

106回薬剤師国家試験に合格。次なるステージを見据えて自身の気持ちを前向きに考えて、薬剤師としての一歩を

後発医薬品ってそもそもなんじゃい?

こんにちわ。今回は、リンゴさん(id:hanamaru_life)の疑問に対して

応えていく形で記事を書きたいと思います。

hanamaru-life.hatenablog.com

今回の記事は、私もびっくりしました。薬の事をきちんと考えて使おうと

する姿勢が見えてくる感じが伝わりました。本当にもっと多くの方が、使う

ことになるであろう薬への理解がこれから深まっていくのかなと感じました。

では、始めていきます。

先発品と後発品の違い

先発品とは?

医薬品メーカーが何億という資産をつぎ込んでやっとでき、承認を受けたのち、

まず初めて売り出す医薬品の事です。実際に薬として世に出されるまでには、

多くの障壁が立ちはだかります。中には、臨床試験の段階で、ダメになるものが

あります。その前に、非臨床試験という、動物実験又は細胞に対して行われる事

があるんですが、その時点でダメになる可能性もあります。そのような壮絶な

競争を勝ち抜き、ようやく薬として出来上がった医薬品です。

もちろん、承認を受けるにあたっては、いろんな結果やデータの提出が求められ

るため、それにより、余計に高い投資が必要になることもあります。

後発品とは?

先発品で沢山のデータが出て居り、大体わかっていることから、そういう部分での

投資が不要であることから、多少値段が安く抑えられるということがわかります。

ただ、先発品と成分は一緒ですが、添加物が異なることがあります。

稀に、オーソライズジェネリックのように、先発品と同様の製造工程と、添加物も

一緒のものもありますが、これは、先発品とは同等の効果があります。

先発品との生物学的同等性についても、同様であるということを調べることが

求められています。『Cmax(最高血中濃度)とAUC(血中濃度時間曲線下面積)

が同等である』ということが前提条件になっています。もちろん、バイオアベイラビリ

ティも同じであるということが規定されています。

 先発品と後発品が両方あるかどうか~先発品しかない医薬品もある~

先発品と後発品の両方がある場合、これはいいんですが、実際には、先発品しか

ない薬もあります。例に、メチルフェニデートを上げてみましょう。

よくAD/HD治療薬で使われているコンサータという徐放性製剤があります。

しかし、この薬には、後発品がないんです。

後発品がないということは、先発品以外の処方ができないということになります。

後、今回の題とは異なりますが、ついでなので、書きますと、

後発品にはない適応症を先発品が持っている場合があります。これは、先発品が

承認時には敢えて一つしか出さなかったが、後発品が売れる時期が来る、

ギリギリのところで、隠していた適応症を出し、承認し直す場合があります。

それにより、後発品では、その適応がないために、売れない現象が起こります。

なので、適応症を確認することが結構大事であるということが言えますね、

今回の場合はどうでしょうか。

             マクサルト:適応症➡片頭痛

           リザトリプタン:適応症➡片頭痛

 

今回は同じでしたが、まれに全然異なる場合もありますので、薬剤師の方は

気を付けないといけないので、大変です。

後発品を勧めるのが世の流れかも…でも、使用を決めるのは『患者さん』

今の現場は、国の施策である『国内使用率80%』に追随する形で後発品を勧めて

います。しかしながら、後発品に無理やり変えさせることはできません。

それは、『先発品を使用するか後発品を使用するのは、患者さん本人が決める』

ということが規定されています。存在の説明や後発品への切り替えなどにも

対応しますが、患者さんが『先発品がいい』という意志を持っている場合は、

それに従うしかないんです。

薬局でも、後発医薬品使用体制加算という調剤報酬に明記されているように、

より多くのジェネリックへの使用切り替えのための体制を必要とされています。

もし先発品の求めがあってもよいように、先発品もそろえておくことが大切です。

 もし、先発品を使うことを決めたとしても、会計時に、後発医薬品体制加算がつい

ているため、少し値段が高くなることがあります。

推進することは確かに必要な事でありますが、患者さんの気持ちが蔑ろに

なっていないだろうかと感じました。

まとめ:今後の先発品、後発品への使いようについて

薬剤によっては、後発品がない場合や、患者さん自身が、『先発品以外を使いたくな

い』という気持ちを発することもあります。その時は、きちんと患者さんの心に寄り添

うことが大事だと思います。後発品に一気に変える事をせず、分割調剤を提案すること

も認められていますし、患者さんがどうしたいのかをきちんと見極めた対応が必要で

す。単純に、国の方針に追随だけをしていたら良いという考え方ではだめです。

中には、薬価を気にされる患者さんも居られると思います。そういう患者さんに

対しては、『どの程度、ジェネリック医薬品を使うことで、安くなるのか?』

ということをしっかり説明する必要もでてくるでしょう。

後発品は、先発品より劣るということはないです。きちんと検査もしているため、

そこにおける問題はないです。

患者さんのニーズに合わせた対応に準じて、先発品又は後発品を使い熟すことが求め

られていると思います。